許可申請のご依頼いただいた場合、当事務所では以下の内容に沿って手続きを進めます。

目次

1.お客様との打合せ

(1)ヒアリング(聞き取り調査)

「風俗営業許可を取得したい」「キャバクラを始めたい」と問い合わせ後に、ヒアリング(打ち合わせ)をさせていただきます。問い合わせの際に風営許可で重要な以下の2点を確認させていただきます。

  • 営業予定地の用途地域で風俗営業ができる地域か(場所)
  • 申請者に欠格事由がないか

上記2点の内、いずれか一つでも該当する場合、許可申請はできません。

また、上記2点の要件がクリアされても保全対象施設要件に該当する場合、許可申請する事はできません。保全対象施設の調査はヒアリングではなく、直接お会いして店舗予定地から保全対象施設の距離を調べてから最終判断させていただきます。

  • 不動産屋が「許可取得できる物件」と言った
  • 前のテナントも風俗営業許可店だった

等々、言われる時がありますが、「過去」許可されても「現在」の状況が異なり許可申請できないケースもあります。(例えば、最近、保全対象施設(保育園)がオープンした…等)

(2)スケジュールの説明

風俗営業許可申請からオープン(許可取得)までには時間がかかります。飲食店営業許可申請から始めると、最短でも2か月はかかります。「できる限り早くオープンしたい」というお気持ちを考慮しつつ、書類の準備等を含めていつ頃許可取得が見込めるかを説明します。

一般的に風俗営業許可の書類審査期間(書類申請~許可日)まの期間(標準処理期間といいます)は、55日とされています。警察署に書類申請してから55日以内に許可か不許可の結果が判明します。またこの期間は55日間で結果通知を出す警察署もあれば45日で結果通知する警察署もあります。

標準処理期間は土日祝日を含まないとされていますが、実際は土日祝日を含んで処理される事が多いです。もし、土日祝日を含んで55日間だと含まない時と比較して20日程度長く待つことになります。(従業員の採用活動、テナントの賃料等に影響を及ぼす可能性があるということです)

(3)費用の説明【見積】

許可申請が可能と判断したタイミングで費用のご案内をします。主な費用内訳は下記の通りです。

  • 書類作成代行費用(行政書士事務所へ支払う報酬)
  • 警察署へ支払う手数料【風営許可 24,000円 ・ 飲食許可 19,000円】
  • その他諸費用【資料収集に要した費用(登記簿謄本、登記されてないことの証明等)】

(4)営業時間の説明

社交飲食店の営業時間は午前0時までです。0時を過ぎて営業すれば、時間外営業となり、警察の取り締まりの対象となります。頻繁に時間外営業をすれば営業停止処分となる可能性もあります。

ただし、繁華街などの一部の営業時間延長許容地域については、午前1時まで営業ができます。営業時間延長許容地域(例えば仙台市青葉区の国分町)は公安委員会告示に定められております。

尚、営業時間延長許容地域であっても、住居集合地域(住居系の用地地域)からの距離が20以下であれば、営業時間の延長はできませんが、住居集合地域からの距離が20m以下であっても幹線道路の各側端から外側50m以下の地域であれば1時までの延長営業が可能です。尚、幹線道路とは国道及び都道府県をいいます。

2.許可要件の確認

.『1.お客様との打ち合わせ』で大まかに確認した内容について更に具体的に確認していきます。

(1)用途地域の確認

許可される用途地域内に営業所があるのかどうかの確認をします。

用途地域は、市区町村役場の都市計画課などの用途地域図を確認できます。地図の他、インターネットでも用途地域図を確認することができますが、営業所が用途地域境にあるときなどは、市区町村役場で確認します。

また営業所が入っているビル2つ以上の用途地域にまたがっていることもありますが、営業所入居部分が全て商業地域または近隣商業地域に入っていなければ許可されません。

※ビル全体で判断するのではなく、営業所部分で判断します。

(2)欠格事由の確認

申請者が人的欠格事由に該当すれば、許可されません。個人事業者であれば申請者本人が、法人申請であれば役員全員が欠格事由に該当しないことが条件となります。

尚、管理者(店長等)の欠格事事由も申請者の欠格事由とほぼ同じです。もし、管理者になる予定の方が欠格事由に該当してしまっていたら、欠格事由に該当しない方を探す必要があります。

また外国人の場合、欠格事由に該当しないことはもちろんの事、その他に風俗営業許可がとれる在留資格であることが必要です。この場合、在留カードで確認します。

(3)内装、設備基準の確認

実際に営業所となる店舗に訪問し確認をします。メジャーやレーザー計測機を使って、高さや面積を確認します。図面(紙面)上で確認するのではなく、必ず現地に伺って確認します。

内装は申請者の要件、営業所所在地の要件と異なり、不備があれば修繕工事をすることで対応可能です。

しかし、警察署や消防署への事前確認をする前に内装工事を着手し、工事完了後に警察署や消防署から指摘を受けて修繕工事をすると無駄な費用がかかるため、各役所へ事前に確認することが重要となります。

3.事前調査

(1)保全対象施設の調査

営業所から規定の範囲内(100mまたは50m以内)に保全対象施設があるか否かを調査します。

申請する時に保全対象施設までの概略図を作成し提出しなければいけません。概略図は営業所を中心として100mまでの範囲を記載します。調査の方法は以下の通り

①地図を準備する

ゼンリン等(有料)の正確な地図を準備し、営業所を中心にした1000分の1サイズのコピーをします。

営業所の外壁から100m(50m)の範囲に線を引きその円内にある建物が調査の対象となり、保全対象施設が含まれているかを確認します。

②行政情報を利用する

実際に歩いて保全施設があるかを調査しても問題ありませんが、事前に保全対象施設の情報を地図に記載しておけば、見落とす事を防ぐことができます。この場合、市区町村役場や保健所の情報を利用し調査を進めます

▶市区町村web

児童福祉施設(保育所など)、図書館、学校などの一覧が載っているwebから情報を収集します。

▶保健所

病院、診療所については保健所の診療所一覧を閲覧して確認します。最新の情報は保健所でないと確認できないこともあるので、原則として保健所に出向いて確認します。

③歩いて確認

地図完成後、実際に歩いて100mの範囲を確認します。事前に作成した地図の情報と実際に歩いて確認した情報を合わせて保全対象施設の見落としがないように確認します。

建設中の施設や設置が決定した施設は地図上に(web)掲載されていないことが多いため、実際に歩いて目で確認して不安な場所があれば市区町村役場の都市計画課などで確認します。

(2)内装状況の確認

許可申請後『実査(実際にお店の内装を警察、浄化協会が検査すること。正式には「構造検査」という)』がありますので、ごまかしは通用しません。

また居抜物件の場合、物件借りる前の事業所の方が許可を取得してから違法な衝立等を追加していることもあります。この場合、そのままでは許可を取得することはできません。

問題なく『実査』がクリアできるよう、事前に内装の確認をします。

①個室の面積を確認

店によってはビップルーム等の個室を設けていることがあります。全ての客室面積が16.5㎡以上ないと許可されません。尚、設備基準に「和風の客室に係るものにあっては、一室の床面積9.5㎡以上とし…」とありますが、これは料亭などの場合の規定です。

②100㎝を超える衝立の確認

客室の内部に見通しを妨げる設備を設けていない基準があります。衝立その他の遮蔽物で、おおむね100㎝を超える設備を設けていけないということです。100mを超える植木を並べるなども、視界を遮ってしまうので設置できません。透明なガラスの衝立なら視界を遮るとは言えないので問題ないと言えそうですが、紙や布を貼ってしまえば視界を遮ることができるので、透明なガラス盤であっても高さには注意が必要です。

③スライダックスの有無を確認

スライダックスとは、調光設備のことです。照明スイッチの横に照度を変更できるスイッチが付いていたら、それがスライダックスです。

社交飲食店は常に5ルクスを超える照度を維持しなければならないのですが、スライダックスがあると通常は明るくても、店の都合で5ルクスに変更できるため、原則、撤去しなければなりません。